年俸制は時間外手当を支払わなくても良いのか?
Q.年俸制を導入し、年間総額○円と定めた場合、時間外労働をしても時間外手当を支払う必要はないでしょうか? また、支払う場合は、その計算基礎はどうなるのでしょうか?
A.年俸制は、業績や能力に応じて年間の賃金を決定する制度のため、時間外手当が不要と考えている事業主の方が多いですが、実際の労働時間が法定労働時間を越えた場合は、管理 監督者等の適用除外者を除き、時間外手当を支払わなければなりません。
では、計算する際の算定基礎について、通常、1ヶ月を超える期間ごとに支給される賃金(賞与等)は算定基礎から除外されますが、年俸制の場合、年俸額の中に賞与が含まれていても、支給額が予め確定しているものは賞与とはみなされない(昭22.9.13 発基第17号)ため、賞与額も割増賃金の基礎に算入します。
例)年俸額 630万円の場合
①月額は12等分した52.5万円
②月額45万円 賞与90万円(2か月分)
上記②の場合、賞与額が予め確定しているため、①と同じく52.5万円が算定基礎となります。